2025年もありがとうございました

写真上:「早春の音楽」ツゲ寄木の版木に9割方彫ったところ / 写真下:雁皮紙に刷ってみたところ

2025年も大変お世話になりました。

今年は3回も展示をする機会があったことに感謝です。

版画に限らず複数のコンペに出してみたり(よく売れたけれど賞には入らない、を含めると全滅でしたが)、人生初・自分の作品の営業をしてみたりと、創作の世界に軸を移すべく模索した年でした。

そして来年より「木口木版画家」と名乗ってしまうことを決めました。(どうしよう・・・)

それで完全に生計を立てていない限り名乗ってはいけないと思っていたのですが、経済的にも技術的にも熟すのを待っていたらいつになるか分からないので。

学生時代~社会人生活において取り組んできた公共のサインデザインやグラフィックデザインは、最大公約数の方々に分かって頂く必要のある分野でした。

それとは全く異なる世界=自分で好きに作って良いという創作の世界、にどう深く踏み込んで行ったら良いものかは、まだ模索中です。

そして、ファインアートの世界というものが、売る仕組みも含めて私は多分まだ全く分かっていません。

木口木版画を始めて8年程度経過する中で技術的には少しずつ慣れてきたものの、発表はどこでどうするのが正解なのか、作家として何かを目標にすべきなのか、などなど、謎だらけです。

もちろん、良い作品を作っていくことが一番大事で、そちらも未だ課題が山積みです。

刃を研ぐことを怠ったり版木をきっちり研がなかったりして、線が甘くなる、彫りの緊張感が無くなるなど、初歩的なところで雑になるクセをまず直すこと。試し刷りを怠ること、修正を面倒くさがること、色のツメが甘いことなどなど、技術的な面だけでも数えたらキリがないほどダメなところがあります。それに、ばれん刷りは中ぐらいのサイズだと10枚も刷るともう疲れてしまう。疲れから妥協してしまわないように、体力もつけたいし。

また、今後は今までしてきたパソコン作業によるデザインの仕事をほぼ無くし、その時間を版画に充てようと思っていますが、それは収入源を断つことでもあるのでどうするのか。何年持つのか。課題だらけです。

しかし結果が出たものもありました。私の創作を支えている自然に関する勉強が実り、2年目の挑戦で「森林インストラクター」という資格試験に合格することが出来ました。(こちらのサイトのメニュー “Forest_memo”に森のこと、試験のことを書いています。)

森の中を歩いたり海に出たりして(ウィンドサーフィン歴18年・SUP歴15年、恐ろしく下手ですが)得る感動や思いが私の創作の源泉なので、その資格をどう生かすかも含めて、森林と木口木版画の二つを軸として今後やってみたい、そんな気持ちでいます。

色々と足りない部分が沢山ありますが、自分なりに温めている作品のかたちがあり、来年以降はそれを見えるものにしていこうと考えています。

色々と悩みながらも、2026年、2027年、個展の予定があります。ご縁に感謝しております。

来年もどうぞ宜しくお願いします。

虎猫図案房

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です