おかえりなさい

こちら、某デッサン賞に応募し、落選して先日戻って来たもの。
自分ではとても好きな絵で、応募中も家で見ていたかったので写真に撮ってA4サイズにプリントし、部屋に貼っていました。
私が死んで地面に倒れていたら、虫や動物たちはどこから食べ始めるだろうかと考えたりする・・
という発言を数人の集まりの中でしたところ、美大組は、やわらかい腹からじゃないか?の意見が多数。
美大以外組からは、そんなことは考えたこともなかった、そういうのは美大では必修なのか?という意見。(もちろん必修ではありません。)
発端は、犬を多頭飼育していた人が孤独死し、犬達がその人の亡骸を食べていたというニュースの話から。
犬達が飼い主を食べたことは良いことでも悪いことでもない、自然なことだと思います。
以前から、私が行き倒れたら食べてもいい、むしろそれで生き延びれるなら、よかったら食べてくれ、
と飼い猫にはそういう気持ちでいます。
私は肉質的に硬くて不味いに違いないが、いつも食べさせているカリカリよりは柔らかいはずなので。
家のメダカ鉢では、死んだメダカはまず目から、小さな貝類に食べられていきます。次が腹。蜂や蝉などは、腹から蟻にたかられ、羽根が最後に残りがちです。
私にとって心震える風景とは、ここで土に還れたら嬉しいと思う場所。
そういう場所に出会うことは多くないけれど、奄美大島で出会った森の風景はそのひとつです。
このガジュマルは、その近くに生えていたもの。
様々なものを根っこに巻き込みながら、人間以外の生き物達ですっかり循環している力強い姿。その環の中に入れない自分が寂しくなり、描くことで少しでもその距離が縮まるかもしれないと思い、描いていました。