シカと土砂崩れ
シカの新聞記事。今、伊吹山でシカが問題を引き起こしているという話。増加したニホンジカが植物を食べ尽くした結果、山肌の土砂が豪雨で流出しやすくなり、7月だけで3回の土砂崩れが起きているという。うち2回は家屋への土砂流入も。
記事によると、温暖化による冬季積雪量の激減でシカが生息しやすくなったことに加え、全国的な狩猟者の減少によりシカ害を減らせないのだそうだ。
ニホンジカとイノシシは指定管理鳥獣なので捕獲・駆除対象だ。今年4月にはクマ類も指定管理鳥獣に追加された。クマの繁殖力は弱いので著しく生息数が増加しているわけではないが、昨今の人身被害の急拡大を受けてだろうと思う。
山肌保護のための植生回復やシカよけネットの設置、捕獲量を増やすなどしても、シカの繁殖力にはかなわないようだ。(記事に出ている大学教授によれば、年に2割を捕獲しないと生息数は減らないのだそうだ。)
以前、クマによる被害が多い北の街での対策をテレビで見た際は、電気柵などが有効なようだった。しかし記事にもある通り、人が暮らす集落に来ないようにするというクマ対策と、人が住んでいないシカ生息域での、シカの行動や個体数をコントロールするというシカ対策は根本的に違う。
クマにせよシカ・イノシシにせよ、動物との問題解決には、今のような限られた人たちが地道な活動をするだけでは限界がありそうだ。
日本中で今後このような問題が増えるのではと思う。うちは都市部だし大丈夫、山林が少しばかり土砂崩れしても関係ないと思うのが人というもの。周知するにしても、情報番組などで取り上げられれば「シカがこんな悪いことをしている」というだけの見え方になってしまいそう。