魚つき保安林
森林法で定められている17種類ある保安林の中で一番好きなのは「魚つき保安林(うおつきほあんりん)」。
そのことを考えると心が鎮まる、という物事が私にはいくつかあるのだが、最近その中に魚つき保安林が加わった。そこで全てが静かに持ちつ持たれつしている感じ。循環の一つに組み込まれている感じ。長らく大事にされ、今後も大事にしなければいけない感じ。魚つき保安林は自分の中ではそういう感じをひっくるめた象徴だと思っている。
なぜ魚つき保安林は「保安」されないといけないのか。
試験勉強の復習としてメモすると、
・森林が水面につくる陰影が、下の海で暮らす魚の休息や産卵の場をまもるため。
・森林から供給される森のミネラルが海に注ぎ、魚の餌となるプランクトンを育てるため。
・山腹斜面からの土砂流出と淡水の流入調節の場であるため。
・防風効果があるため。
などなど。
また、こうした海近くの森林の存在は古くから土地の住民生活に役立っており、漁民達は経験的にその森林の大事さを分かっていたために、禁伐林としたり神社を建てるなどして保護してきた。
実は今回の試験にも保安林に関する300字の記述問題が出て、どうしても魚つき保安林への思いを書きたかった私は、質問の趣旨とは若干関係の無い内容にも関わらず、魚つき保安林のことを回答に付け足した。減点されても構わない。書きたかったのだから。
実際にいくつかの魚つき保安林に行ったことがあるが、一番最近行ったのは下田の保安林。ここは江戸時代から禁伐林として保護されている歴史があるという。ここの魚つき林は、漁師の「山アテ」※などの目印になっていたにも違いない。
※山アテ:漁師達が陸地の特徴的な地形や灯台など陸上の目標物を対象として自分の舟の位置を測定する方法。
一次試験の結果は未だ来ず。もうすっかり来年の試験勉強はいつから始めるかという気分になっており、そのためには何教科再試験になったのかを知りたいところなのだけど、やはり予告通り11月上旬まで待つしかない。あの試験では採点する方々も本当に大変なことだと思う。