絶滅についてその2〜最近の新聞記事から
少し前の新聞記事より。
東京新聞は「こちら特報部」のコーナーでたまに自然にまつわる記事を載せてくれるので助かっている。
記事を要約すると・・
「徳之島町にある、国立公園内の特別保護地区内において、レッドリストにある『クニガミシュスラン』が1日のうちに株ごと消え去った。その日は、ランのあった場所を含む山中で海上自衛隊と米海軍による大規模演習が行われていた日にあたる。」ということだ。
この情報で見える二つの事実を結びつけると直ちに「けしからん」という結論になる。
しかしそれでは簡単すぎるので、大規模演習vs絶滅危惧種の花、という構図のドラマティックさに引きずられないようにしつつ、もう少し整理したい。
記事が伝える事実から、問題の原因になりそうな部分をまとめると・・
・国立公園内の特別保護地区内は、記事にもある通り自然公園法のもとで植物の伐採や採取が禁じられている場所であり、そこで大規模演習が行われた。
・鹿児島県としては演習前に「住民の安心・安全」について文書で要請した。
・環境省としては「自然環境」への配慮は、演習を行う側に事前にメールと電話での事前協議で伝えた。
・特別保護地区内には登山道もある。登山客も立ち入る。
以上の点から、やってはいけない場所で演習が行われた可能性、相手側に「ラン」についての要望は伝わっていなかった可能性、一般の登山客も知らないうちに絶滅危惧種を傷つけることのある可能性、の三つが見えてくる。
ではどうすれば良かったのか。今回はそのことに対する考えは自分の頭の中に留めておくことにする。
ただ、山歩きを楽しむ者として、三番目は非常に難しい。今までに知らないうちに何かを踏みつけたことは無い、とは言い切れないばかりか、足元の小さな花芽が絶滅危惧種かどうかも分からない。
なので、今回のように新聞や各種メディアで色々と教えて欲しいと思う。