山の模様

この勉強を始めなければ気づかなかったであろうこと、というのは沢山ある。
その中の一つとして、遠くの景色に見える山のシマ模様を見て何か考えたりするようになった、ということがある。何も知らない時は、あの山シマシマだな、としか思わなかった。

しかし最近は、あれは列状間伐だろうと思い、その下にある林床植生などについても思いを巡らせたり出来るようになった。また、人工林と思われる遠くの山を眺めていて、尾根・中腹・下の方、ときれいに帯状に樹種が分かれていたりすると、適地適木という言葉が浮かび、樹種はどれだろうなどと考えてしまう。「ただの山」とも言える景色を、かなり長い時間眺めていられるようになってしまった。

しかし・・林業について勉強している時はかなり罪悪感がある。私は一度も林で木を切ったこともなければ、木で家も作らない。単に机上で勉強しているに過ぎないので、わべの学びだ。版画愛好家として版木に向き合ってきた経験が少しあるだけだが、それも限られた樹種。でも勉強しないことには仕方ないのでする。

間伐についておさらい。

そもそも間伐は、種内競争(※)の緩和のための伐採。それに対し主伐というのは、収穫のための伐採で、更新または更新準備のためのもの。

◆三種類の覚えるべき間伐

1)下層(定性)間伐 2)定量間伐 3)列状間伐(列状間伐は定量間伐の一つの種類といえる)

1)下層間伐:成長の良くない木、曲がった木などを予め現場で選定、優良木を残す。
長所:良質な大径木を得られる。 短所:利用価値の低い間伐材になることから、森林内に放置されがちで、風水害に悪影響。林床に陽光を取り入れる効果も低い。

2)定量間伐:密度的に間引くことに重点を置き、機械的に本数を間引く。
長所:選木にかかる時間の短縮 短所:優良木も不良木も残る

3)列状間伐:斜面の上から下に沿って、木の優劣にかかわらず列状に伐採する
長所:間伐した跡が一直線に残るので、そこを間伐材の運搬路に使える。大型機械が入れるようになるので効率よく、コストも削減出来る。 短所:定量間伐なので、優良木も不良木も残る。

※種内競争:同一種の中での生存競争、種間競争:異なる種の中での生存競争

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